近年、「ブラック企業」という言葉が流行し、過労によって命を落とすような痛ましいニュースが度々報道されています。
ブラック企業の定義付けは曖昧ですが、違法労働やパワーハラスメントが横行する環境は、ブラック企業と見なすことができるでしょう。
転職先がブラック企業でないとも限りません。
一度就職すれば簡単に辞めるわけにはいかないからこそ、見極めが大切です。この記事では、ブラック企業の見極め方をお伝えします。
目次
求人案内のここをチェック
転職活動を行う上で、必ずチェックする求人案内。ここには、ブラック企業かどうかを見極めるヒントがたくさん潜んでいます。
頻繁に求人情報を掲載している、社員数に比して募集人数が多い
頻繁に求人情報を掲載している企業、社員数に比して募集人数が多い企業は要注意です。離職率が高く、辞めた人員を補充するために大量採用を行っている可能性が高いためです。このような企業では、社員を駒として扱っており、労働力を使い捨てにしているおそれがあります。離職率などが掲載されている四季報も、確認しておきたいですね。
応募条件が少ない
- 「未経験OK」
- 「学歴不問」
- 「やる気さえあれば」
など、ターゲットが明確でないのは、誰でもいいから採用したいという企業の意図が隠れています。このような企業も、離職率の高さが疑われます。
ただし、オープニングや業務拡大など、大量募集する意図があれば、必ずしもブラック企業ではありません。
求人内容に曖昧な点が多い
残業時間・休日日数・給与金額などがはっきりしない、あるいは記載されている数字に大きな幅がある場合、注意したいところです。求人情報と事実に食い違いがあれば、後々トラブルに発展するおそれがあるため、それを未然に防ぐために具体的な情報を意図的に隠している可能性があります。
反対に、平均より多いにもかかわらず残業時間を明記している会社は、誠実であると推測できます。
ノルマ、歩合給、みなし労働などのキーワードに注意
- ノルマ
- 歩合給
- みなし労働(1日の大半が社外での業務である、業務の遂行方法を個人の裁量に委ねるなどの場合、労働時間を一定にみなす)
以上の言葉は、決して悪い意味ばかりではありません。
ノルマや歩合給は、一定の目標を達成するために必要な手段であるかもしれませんし、業務の性質上みなし労働時間制度を導入したほうが効率的なのかもしれません。
しかし、ブラック企業はこれらを曲解し、労働者を不利な条件で働かせようとしている可能性があります。
これらの言葉が求人情報に並んでいたら、具体的な内容を確認してみましょう。
また、「熱意」「夢」「やりがい」など、耳ざわりの良い言葉ばかりが並んでいる企業も、精神論がまかりとおる過酷な労働環境かもしれません。
面接・内定時にここをチェック
面接は、求人情報に載っていない情報を聞き出すチャンスです。離職率や平均在職年数、有給消化率など、求人情報でわからなかった点を面接で確認しましょう。
社風や企業の体質は?
社風や企業の体質を肌で感じることができるのも面接だからこそ。面接官の態度が威圧的であったり、面接官同士のコミュニケーションに違和感を感じたら、注意したほうがいいかもしれません。
内定承諾を急かす企業にも注意
内定辞退を許さない、あるいはその場で承諾しなければ内定を取り消すなど、強腰の態度で接してくる企業は、ブラックである可能性があります。
雇用契約書を確認しよう
企業側は内定時に雇用条件を書面で提示する必要がありますが、それを用意していない場合や、求めても出し渋る場合は不審に思った方がよいかもしれません。
雇用契約書には、以下の項目が記載されているはずです。抜けている項目があれば、確認しておきましょう。
- 職種
- 勤務地
- 雇用期間(試用期間含む)
- 給与体系や残業代・支給方法・給料日
- 労働時間と残業時間
- 休日(年間日数、週休)
- 福利厚生
- 退職に関する規定
試用期間中の待遇も確認しよう
通常、就職後3〜6ヶ月ほどの「試用期間」を設定している企業が多いです。
しかし、ブラック企業の場合、試用期間が6ヶ月以上にも渡る長期であったり、その期間中社会保険に加入させないなど、労働者不利な条件を提示してきます。
このような企業は、労働力を使い捨てにするおそれがあると考えてよいかもしれません。
インターネットで企業名を検索
インターネットも、重要な情報源です。応募企業の会社名を検索してみましょう。中でも、元社員などの生の声が聞ける口コミサイトの情報は重要です。
まとめ:転職エージェントならブラック企業の見極めの手助けも
ブラック企業は、一見すると好条件を提示する“ホワイト企業”に見せかけることに長けています。
そのため、見極めることができず就職してしまう人も多くいるのが現実です。
転職エージェントなら、ブラック企業をおすすめすることはありません。もしも応募企業に注意すべき点があれば、キャリアコンサルタントがアドバイスをするので、安心して選考を進めることができるでしょう。