あなたが転職したい理由はなんでしょうか。必ずしも、ステップアップしたいといったポジティブな理由ではないかもしれません。
「ネガティブな言葉を正直に述べたら印象が悪くなるのでは」
このような懸念を抱いている方も多いのではないでしょうか。そんな疑問を解消する「転職理由の書き方」を解説します。
目次
転職理由は正直に・ポジティブに
転職したい理由は、ネガティブな言葉が並びやすいのではないでしょうか。
今の会社の待遇へ不満を抱えていたり、人間関係に悩んでいたり…。転職活動の際、希望する企業に、このような理由を正直に打ち明けてよいものか、迷うかもしれません。
たとえ言いづらい転職理由であっても、嘘をつくことは絶対にやめましょう。しかし、馬鹿正直に詳らかにする必要もありません。
まして、採用担当者は前の会社の愚痴を話す相手ではありません。
ポイントは、「ポジティブに変換すること」です。
■面接官が転職理由を聞きたいわけ
どのようにポジティブに変換するかを説明する前に、転職理由を尋ねるわけを解説します。採用のプロである面接官は、転職理由からさまざまな情報を得て、あなたの採用可否決定の材料にしたいと思っています。
あなたの働くモチベーションを知りたい
採用担当者が転職理由を知りたい大きな理由は、あなたの働くモチベーションを知りたいからです。
実績やスキルは職務経歴書から読み取れますが、あなたの価値観や働くモチベーションはわかりません。
そこで、転職を決意した理由を聞くことで、「前職で満たされなかったもの」を知りたいのです。
そして、企業が求める人物像に合致しているかどうかを判断します。
責任感の有無を知りたい
一人採用するには多大な時間とコストがかかります。苦労して採用した人があっという間に辞めてしまっては困りますから、「すぐに辞めてしまわないか」の見極めは重要です。
転職理由から、以下のようなことを判断しています。
- 責任感があるか
- 仕事に対して甘いスタンスで臨んでいないか
- 仕事を途中で投げ出さないか
- 協調性はあるか
- ストレス耐性があるか
- 業務に支障を来す問題を起こす可能性はないか
●転職理由が志望理由を裏付ける!
転職したいと思った理由は、応募企業で実現したいと思っていることにつながります。
つまり、転職理由と志望動機が一貫していれば、本当に入社したいという意思を伝えることができるのです。
転職理由の考え方のヒント
よくある転職理由と、それをポジティブに言い換える例を挙げます。ぜひ参考にしてみてください。
残業が多い、仕事が忙しすぎる
これらの不満を正直に話すのはNG。
「効率が悪いのでは?」「仕事に対するスタンスが甘いのでは?」と思われてしまう可能性があります。
残業が減った分どのようなことを実現したいのか、前向きな理由を述べましょう。
また、応募先企業の残業時間の目安を確認し、前の会社の残業時間と必ず比較しておく必要が有ります。
→回答例「スキルアップのために、◯◯のスキルを取得する時間がとれる環境で働きたい」
給与が安すぎる
給与を上げたいと転職を望む人は多いもの。
しかし、実力が伴っていないと簡単に給与アップは実現しません。
給与が転職理由である場合、「実績を上げたこと」「努力したこと」を具体的に挙げ、それでも給与に反映されなかったから転職に踏み切ったと説明するのがよいかもしれません。
→回答例「努力や実績に対して正当な評価をしてくれる環境で働きたい」
ノルマがきつい
特に営業職には、ほとんどの企業においてノルマが課されます。
これは、転職先でも同じこと。「ノルマがきつい」を理由に挙げれば、転職先でも同じ理由で辞めてしまうのでは、と思われてしまいます。
数字ばかり追い求めるのではなく、顧客のニーズを分析し、しっかり腰を据えて関係を構築したいと述べれば、説得力がありますね。
→回答例「顧客と長い信頼関係を構築していきたい」
人間関係が悪い
人間関係が退職理由である場合、「あなたに原因があるのでは?」「もめごとを起こすのでは?」と思われてしまうおそれがあります。
人間関係については伝えるのが難しい面もありますが、人間関係の良い環境で、周囲の人と協力しながら仕事を進めたいという思いを強く伝えましょう。
→回答例「チームワーク良く仕事に取り組みたい」
病気など、身体上の理由
病気などの身体上の原因で転職したい場合、転職先で問題なく働けることを採用担当者に伝えなければなりません。
→回答例「身体上の理由で止むを得ず退職したが、キャリアを活かして働きたい」
■まとめ
転職において、転職理由は非常に重要なポイントです。必ず尋ねられますから、深く掘り下げ、しっかりと回答できるよう準備しましょう。理由をうまく伝えることができ、前向きな意欲が伝われば、志望理由をより説得力あるものにしてくれます。